落ち葉の庭で



ミロがお家への帰り道、紫龍の家の前を通りかかると、
紫龍が自分の背の高さよりおっきなほうきを一生懸命動かしながら
庭の落ち葉を掃いていました。
「紫龍、えらいねー、お手伝いしてるの?」
そう声をかけると、紫龍はこくんとうなずいて、
「うん、老師にたのまれたの。」
と答えました。
「ふうん、頑張ってねー。」
そう言ってそのまま通り過ぎようとしたのですが、
紫龍のお家のお庭は大変広い上、赤や黄色に色づいた木もいっぱいで、
小さな紫龍がお掃除するにはあまりにも大変です。
「紫龍ー、ミロも手伝うよ。」
ミロは物置からちりとりとほうきを持って来てお掃除を手伝いました。

庭の落ち葉が大方片付いた頃、童虎が大きな風呂敷包みを抱えて帰ってきました。
「・・・これはまた、綺麗になったな。」
二人で掃き清められた庭を見て、童虎は感心してつぶやきました。
「あっ、老師、お帰りなさい!」
「童虎、おかえりなさい。」
「ただいま、紫龍。留守番ご苦労じゃったの。
ミロも、紫龍を手伝ってくれたのか。
それではミロにもご馳走しなければな。」
童虎は抱えていた風呂敷包みを二人の前に下ろしました。
「えっ、なあに、なあに?」
風呂敷包みを開くと中からはおっきく育ったサツマイモがころころと顔を出しました。
「あっ、もしかして焼き芋するの!?」
「そのもしかしてじゃ。ミロは焼き芋は好きかの?」
「うんっっ!だーいすきっ!!」

童虎は二人の掃き集めた落ち葉に火をつけて焼き芋を作ってくれました。
焼きあがったお芋は甘くてほくほくとしてとってもおいしかったので、
ミロは2つも平らげてしまいました。

ミロはご馳走になったお礼を言って今度こそお家へ帰りました。
帰り道は北風が強かったけど、なんだかお腹も心もほかほかして幸せな気持ちでした。

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2000ヒットの平乃 行子様リクエストでミロ&童虎(+紫龍)です。
自分では思いつかないような組み合わせなので、
どうやって二人を引き合わせるか悩みました。
でも、これこそリクの醍醐味!
自分の中では生まれなかったはずの絵が生まれるのが嬉しいです
リクエストありがとうございました。